海外進出成功事例として、兵庫県神戸市にあるほうき・ブラシメーカーの「太陽刷子株式会社」をご紹介します。

 

太陽刷子は大正12年創業、兵庫県の中心部神戸市で創業された従業員109名、売上高13億に及ぶほうき・ブラシメーカーさんです。

およそ100年もの歴史を持ち国内でもその品質には定評高いほうき・ブラシメーカーさんではありますが、海外市場を開拓することによって将来的な可能性を見いだせると考えた代表取締役の小倉 輝紀氏は海外進出を決断しました。

 

太陽刷子は、人の気が付かないような細かい部分までこだわり続け、成長を続けてきた企業として、高品質なオーラルケアグッズを提供するということは、爽やかな気分と健康な口内環境を提供するということによっていつまでも丈夫な歯でおいしく食事を食べられる喜びをと長生きする喜びを創造し続ける企業でありたいというビジョンを持っていました。そのようなビジョンのもと、同社は最先端の加工技術と、創業以来培ってきたノウハウを活かし、 高付加価値のオーラルケア商品を主力として開発してきました。しかし、そのように顧客のニーズを大切にしてきた太陽刷子が海外進出を決めたのが、今から遡ること8年前、平成22年になります。

 

太陽刷子が海外進出を決めた大きな要因は、海外進出によって海外市場に将来的な活路を見出そうとした点にあります。平成22年、成熟だった国内市場に限界を感じ海外進出を決断すると、翌年の平成23年には他の海外進出済みの企業の支援により、ベトナムをメインターゲットとして設定します。そして、2年後の平成25年にベトナム南部のドンナイ省での生産を開始しました。さらに、平成26年11月、自社ブランド品の『sun pearl』が現地のイオンモール2号店の開店に合わせて、1号店と2号店の両店舗にて納入が開始され、以降ベトナム国内の他の大型ショッピングモールなどでも納入が行われました。そして、平成27年1月にはクールジャパンワールドトライアル2014 in ベトナムに出展し、バイヤーからの問い合わせが増加したと言います。太陽刷子のこうした取り組みによって、商品が持つ歴史と品質を評価するアジア圏等などの海外展開が可能になり、わずか109人の従業員数でありながら、太陽刷子は徐々に知名度と販売数を伸ばしていきます。

 

太陽刷子によるこれらの取り組みを可能にさせたのが、中小機構による「web構築支援」と展示会出展支援に加えてHIDAという専門家派遣事業といった他のコミュニティとの積極的な交流にあります。「経営は実行、理論ではない」というモットーを大事にしてきた同社らしい積極的な取り組みと言えるでしょう。

 

同社は今後、これまでに引き続いて、常に海外進出先の現地のトレンドとニーズ把握し、顧客のニーズに合った製品作りと、知名度や取引先の拡大に向けて動いていくとともに、今後もASEAN市場において日本品質を強みに、他社との差別化を図った高付加価値商品を展開していくそうです。

 

(参考/引用元)

・大裕鋼業HP: http://www.taiyo-brush.co.jp/vision/

・中小企業庁:

https://www.mirasapo.jp/features/policy/vol39/file/kaigaitenkai_26.pdf