海外進出成功事例として、石川県小松市にあるロボットシステムメーカーの「株式会社メカトロアソシエーツ」をご紹介します。

 

メカトロアソシエーツは2006年創業、石川県小松市で創業された従業員15名、資本金2000万円に及ぶメーカーさんです。

創業してまだおよそ10年と歴史は浅いものの、国内でもその品質には定評高いロボットシステムメーカさんではありますが、アジアにおける需要の増加や自動車業界の相次ぐ海外進出に目をつけた代表取締役の酒井 良明氏は海外進出を決断しました。

 

メカトロアソシエーツは、私たちは新しい技術について積極的に学び、自分たちのものとし、共有化することによって技術レベルの高い信頼される会社をめざすという同社の経営理念にもあるように、常に同社の製品を利用する顧客のニーズや利便性を考えながら製品を製造してきました。特に、同社の強みとも言える事業が、3Dロボットシミュレーションによるロボット生産システムのプランニングから設計・製作・納入後のメンテナンスまで一貫したサービスの提供です。この一貫したサービスによって、匠の技をデジタル化し、ロボットに伝承する圧力制御シ ステムなどロボット周辺機器を顧客の希望に沿って開発しています。その結果国内市場に対しては、岩谷産業やコマツグループなど大手企業とも多く取引を行うまでに規模を拡大してきました。そのような中で、メカトロアソシエーツが海外進出を決めたのが、今から遡ること9年前、2009年になります。

 

メカトロアソシエーツが海外進出を決めた大きな要因は、アジア市場における需要の高まりや自動車業界の海外進出を受けて自社製品が海外でもニーズがあると感じたことにあります。2009年には、かねてから自動車業界の進出が進むタイに関心を持つなか、 自治体による商談会に参加。産業支援機関のアドバイザーにも進出について相談開始し、同年12月には効率的に商談を進めるため、現地タイに事務所を開設しました。そして、翌年の平成24年8月にはバンコク市街地にて現地法人を立ち上げます。この時、現地法人の株はタイ企業が52%株を保有する形で運営されていました。この現地法人では、企画設計は自社が、組立をタイの現地企業が行うといった分業体制を確立することで受注を増加させて行きました。さらに、3年後の平成27年11月には、空港近くの工業団地に入居しています。そういった背景も味方につけながら同社が行った様々な地道な努力の結果、15人の従業員数でありながら、メカトロアソシエーツは徐々に知名度と販売数を伸ばしていきます。

 

メカトロアソシエーツによるこれらの取り組みを可能にさせたのが、産業支援機関によるアドバイザー制度や国等の研究開発・販路開拓事業における新連携補助金等の活用などといった他の団体とのネットワーク構築です。同社は、とにかく人と人の繋がりを重要視しており、タイ進出の際にも常に現地企業とのコミュニケーションを取ることを心がけていました。連携することによる事業の効率化や迅速化と言う点を同社は大切にしています。

 

同社は今後、自社が誇る製品の能力をどんどん周知させ、これまでに引き続いて高品質で安心と信頼を顧客に与えることができる製品をリーズナブルな価格で提供できるよう努めていくそうです。

 

(参考/引用元)

・メカトロアソシエーツHP:http://www.mec-as.co.jp/smarts/index/2/

・中小企業庁:

https://www.mirasapo.jp/features/policy/vol39/file/kaigaitenkai_22.pdf