海外進出成功事例として、静岡県浜松市にある食品・食品業務用卸売メーカーの「株式会社フードランド」をご紹介します。

 

フードランドは昭和6年創業、静岡県の西部浜松市で創業された従業員40名、売上高3.2億に及ぶ食品・食品業務用卸売メーカーさんです。

半世紀以上もの歴史を持ち国内でもその品質には定評高い食品メーカーさんではありますが、フランスのパティシエからの熱烈なオファーを受けたことに対して海外進出に興味を抱いた代表取締役の中村 健二氏は海外進出を決断しました。

 

フードランドは、食販売を出発点に、食に主軸をおいた卸や商品開発を実施し、三ヶ日みかん等の果物や野菜の栄養素を保持させながら、丸ごとペースト化をすることに成功し、独創的な商品を生み出すなど伝統的製法を活かしつつ、常に新たな商品開発を模索するチャレンジ精神を持ち合わせていました。そのような中で、フードランドが海外進出を決めたのが、今から遡ること8年前、2010年になります。

 

フードランドが海外進出を決めた要因として、フランスのパティシエからのオファーがあり、そこから海外進出への可能性を感じたことにあります。このフランスのパティシエからのオファーを受けた平成22年11月には酵素分解処理を活用した業務用のみかんペーストを輸出し始めます。さらに翌年の平成23年の5月には、JAPANブランド事業に採択され、この後4年間アメリカや台湾にもマーケットリサーチを行うことができました。さらに、同年6月にはJETRO静岡に貿易投資相談を行い、現在は専門家として活躍なさっているJETROの食品輸出アドバイザーとの出会いによってJETRO主催のセミナーに参加するようになりました。こうした取り組みによって、商品が持つ歴史と品質を評価するアメリカやアジア圏等などの海外展開が可能となり、平成25〜26年には、アメリカで開催されたwinter fancy food showにも出展することができました。この出展の結果、アメリカ進出への道のりがさらに加速し、現在は日系大手食品輸出商社と契約を進行させているそうです。そういった背景も味方につけながら蔵元が行った様々な地道な努力の結果、40人の従業員数でありながら、フードランドは徐々に知名度と販売数を伸ばしていきます。

 

フードランドによるこれらの取り組みを可能にさせたのが、JETROによる相談支援や、JAPANブランド事業といった他の団体とのネットワーク構築です。同社は、とにかく人と人の繋がりを重要視しており、アメリカ進出の際にも常に他の組織とのコミュニケーションを取ることを心がけていました。同社は常に取引先の情報を得ること、また、信頼できるパートナーを見つけることを大切にしてきたとおっしゃいます。

 

同社は今後、輸出に関して他の組織からのアドバイスを活かし自社の製品を海外進出させ、これまでに引き続いて高品質で安心と信頼を顧客に与えることができる製品をリーズナブルな価格で提供できるよう努めていくそうです。

(参考/引用元)

・フードランドHP: http://www.foodland.co.jp/company/

・中小企業庁:

https://www.mirasapo.jp/features/policy/vol39/file/kaigaitenkai_23.pdf